もどることのない人生の意味
先生とはそれからもう久しくお会いしていません。長い年月をかけて無事大書を編集・完結なさったことなどをゆっくりお聞きしたい気持です。いつかまたあの古ぼけた階段をぎしぎしと上って、たしか「カルフォルニア」という名前であった喫茶店で、当時先生がもしかしたらほんとうに真剣であったかもしれないインベーダーゲームのことではなく、ただ一杯のお茶を飲みながら、音韻論や意味論でもない、すでに亡くなったやさしい人々の声音と、もどることのない人生の意味について、先生から親しく教えていただきたいと思っています。
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